住宅とアレルギーの問題の背後にある根本的な原因を追究してみる。現在、住宅が起こしている様々な問題を突き詰めていくと、「グローバル化の行き過ぎ」が原因ではないかと思う。
今、世界中が抱える大きな問題が、富の偏在と環境破壊である。
【富の偏在について】
住宅業界も同様、経済格差が拡大している。ハウスメーカーなどの大企業は、大量生産、大量販売により、市場の独占を企ててきた。
規模の経済は住宅政策と一体となって、小規模な工務店や製材所などを衰退へと追いやった。
下請けタタキは常態化し、職人は単なる労働力として扱われ、コスト削減の標的にされてきた。技能の低下と職人不足は深刻である。
利益至上主義は、健康や環境よりも企業の利益拡大が優先されるのである。アレルギーや化学物質過敏症など、新たな病気が増加している。
しかし、大企業やメディアは、住宅だけが原因ではないという理由からか、事実を公表しない。アレルギーと住宅の関係追及はタブーのようである。それが、アレルギー人口の増加を後押ししていると思う。
【アレルギーと住宅を考える会・交流の場】より抜粋
「アレルギーと住宅を考える会」は、昨年3月、住宅がアレルギーに影響していることを解明するために設立した。建築と疫学のコラボは、化学物質や過乾燥などがアレルギーを発症させることを解明しつつある。
会の発足早々に、鈴木先生の経皮感作と山本仮説がアレルギー改善への扉を開いた。おかげさまで、建築技術でのアレルギー改善の方向性は見い出されたと思う。皆さんの知恵の結集が、短時間で成果を生み出したことに驚くばかりである。会員の皆様に感謝申し上げます。
しかし、それでは対症療法の領域にとどまることであり、アレルギーの原因療法的な解決にはならない。
次回は、住宅とアレルギーの問題の背後にある根本的な原因を追究してみる。
【アレルギーと住宅を考える会・交流の場】より抜粋